2025年6月20日、21日に開催された
【茨バ・ター展】の模様を
2か月間だけここで公開いたします

再度見返していただいたり
思い出として皆にお伝えください

茨バ・ター展とは

ごあいさつ  (2025年6月19日時点の内容となります)

 

2025年6月20日(金曜日)、6月21日(土曜日)に「茨バ・ター展」を開催します。
この企画展は、大阪の北部地域に住んでいる障がい者が、日頃から作成している作品を
募集し、展示するものです。
タイトルの意味は、茨木市で行う展示会であることと、制作者が自分自身を投影した
作品「アバター」であることを条件にして募集する芸術展であることを意味しています。
障がいのある人の作る芸術作品は、題材の選択が個性的で、特に思いを強く込めたこだわりのあるモチーフであることが魅力的です。ときに、同じモチーフを長い時間、量産される作品もあり、それらの作品は作家さん自身、もしくは自分の一部を構成する、アバターであるということが理解できます。
 しかし、その作品に対する情熱や、想いは自分自身に留まるか、一部の家族、支援者にしか共有されません。作品のできあがる過程や、その背景にあるストーリーは、その作家さんの魅力的な生き方や大切にしている、守るべきものの意味を示してくれます。
素晴らしい作品と、その情熱の熱量を知るためのストーリーを同時に展示するといった展示会では、見る人にとっても、障がいのある作家の個性を尊重し、生き方を共に共有できる場であってほしいと思い、企画しました。芸術を通じて、支援協力を必要とする人との伴走の形を茨木市で作っていきたいと考えています。

 

「障がい者福祉をもっと、ちいきの当たり前に。」

茨木市立障害福祉センターハートフルは、地域の事業所や協力団体、行政と一緒に、法人の理念 FUN365 を、ここ茨木市の障害福祉計画とともに実現していきます。

 

社会福祉法人大阪府障害者福祉事業団

茨木市立障害福祉センターハートフル

所長 原 稔


The Iba-ter Exhibition will be held on Friday、June20th and Saturday、

June21st 2025.

This special exhibition invites and displays works that are created on a daily basis by people with disabilities living in the  northern part of Osaka.

The title refers to the fact that the exhibition will be held in IbarakiCity、 and that the art exhibition will accept submissions of

“avatar”works in which the creator projects themselves.

What is fascinating about artworks made by people with disabilities is

the unique choice of subject matter、and the motifs they use that are

particularly meaningful.

Sometimes、there are works that mass‐produce the same motif over a long period of time、and you can understand that these works are the artist themselves、or an avatar that constitutes a part of themselves.

 

However、the passion and feelings towards the work tend to remain to

themselves or are shared only with a select few、such as family and

supporters.The process of the creation of the work and the story behind it reveal the fascinating way of life of the artist and the meaning of what is important and what should be protected.

We planned this exhibition to display both wonderful works and stories

that show the intensity of their passion、with the hope that it would

be a place where viewers could respect the individuality of artists with disabilities and share their way of life together.

Through art、we hope to create a form of companionship for people in ibaraki who need support and cooperation.

 

Make welfare a more commonplace part of the community.

Heartful、the IbarakiCity Welfare Center for the Disabled、works together with local businesses、partner organizations、and the government to realize

our corporate philosophy、FUN365、along with IbarakiCity‘s disability welfare plan.

 

Osaka Prefecture Welfare Corporation for the Disabled

Ibaraki City Disability Welfare Center Heartful

Director Minoru Hara

 

作品賞

実際のスライダーの動きは、プレビュー/公開ページでご確認ください

【ゆりちゃん】

エピソード賞 

実際のスライダーの動きは、プレビュー/公開ページでご確認ください

【車いすとスニーカーと私】

作品一覧 作文を見るには写真をクリックしてください

前川 力哉

作品名
しが野ベスリス

樽 真智子

作品名
私と絵の時間

平瀬 輝幸

作品名
車いすと
スニーカーと私

※エピソード大賞受賞 
特別展示自作車椅子

松尾 和磨

作品名
助けたい

前田 里恵子

作品名
春大好き

野村 興一郎

作品名
夏の果物の
スイカです

北村 泰一

作品名
エントワマモル
ロボットテッル

ちゅうや

作品名
蓮の池

竹澤 嘉則

作品名
スヌード

辻 絵美

作品名
お花

川上 貴世

作品名
片付けまでの
軌跡

江口 健太

作品名
江口さんと
みんなの作品

山田 卓史

作品名
山田卓史

登間佐 俊孝

作品名
わたしの30日

坂田 大作

作品名
日々

福本 祐里恵

作品名
ゆりちゃん  
※作品大賞受賞

明定 武司

作品名
Takeshi2024

寺西 京子

作品名
いい顔してはるわ

梁 桐子

作品名
どうぶつ

杉本 れな

作品名
そっとくうきそっとこきゅういのちのきせきありがとう

藤田 萌路

作品名
私の好きなモノ

堀江 修

作品名
負けない女

近藤 光

作品名
まねきねこ

小見出し

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イベント当日の様子


実際のスライダーの動きは、プレビュー/公開ページでご確認ください

白紙だったキャンバスが 皆さんのお声でいっぱいになりました
ありがとうございます

来場いただいた皆様からのお声です

「茨バ・ター展」アンケート集計

作家さんへのひとこと 

・おもいを表現できるってすてき♡

・文章を読んでいてすごく感動しました!

・とおりがかりに思いがけず心をこめたたくさんの作品をみせていただけました。

 私ももうひとがんばりしますね。

・みなさんの個性いっぱいの絵でどんな方が画いてらっしゃるのかとても興味がわきました。すばらしいコミュニケーションですね。

・みなさんのエピソード感動しました。

・ゆりちゃん、下書きなしではさみを使えるなんてすごいです♪

・車いすかっこいいです。じゅんこ

・明定さん、山田さん、坂田さん、梁さん、寺西さん、福本さん、登間佐さんステキな作品感動しました‼

・忘れてた優しい気持ち、素直な気持ち、私だけの気持ちを思い出しました。ありがとうございました。

・ちゅうやさん、文章を読んで感動しました。絵が素敵です。リエ

・きりちゃんへ、いつも素敵な笑顔と作品で元気にしてくれてありがとう!kumi

・初めて観せて頂き豊かな感性に感動しました。これからもがんばって下さい。

・りきや登場!ペスカトーレなボロネーゼ!スパゲッティおいしいですね。前川力哉

・明定様へ 色合いがとてもよかったです

・スゴかった

・北村さんへ すごくかわいくてすてきでした。ありがとう‼

・多才、多彩素晴らしい‼

・「助けたい」たすけてあげれる日が必ずきます。

・ゆりちゃんへ。作品大賞なんてすごいですね。がんばってください。きなりより

・No.5 初めて見た時から心奪われるぐらいすてきな作品でした。グッズかしてほしいぐらいです!今後も作品制作応援しています。

・今の世の中生きにくい!でも「ハスのお花」を見ていたらホッコリします。

・すべての作品 「愛」と「感謝」あふれてて素敵です。

・思いのこもった素敵な作品に元気をもらいました!ありがとう!

・がんばりましたね。すご~い

・とても素敵でした♡

・すばらしい~~どの作品にも創作された時の思いがギュッとつまっていて感動しました。

・暑いけど茨バ・ター展に来てね♥

・ゆりちゃん、いいですね。くま

・皆さんそれぞれに個性があって見えている世界がありますね。幸せな色でありますように!

・ブラボー

・素敵な作品を拝見できました。これからも頑張って下さい。

・ステキな絵がたくさんあり、美入りました。皆さん一人ひとりの個性がありコメントも書いてあり、1つの作品に大きな思いがあると感じました。また、こういう機会があればみたいです。

・パントマイムのようなマジック、どのようなものか見たいです。

・作文がとてもよかった。泣きそう。ありがとう‼

・すごくよかったよ

・楽しくとても良い気分になりました。ありがとう‼

・1人1人個性があってすごく感動しました‼

・のりたい

・安全うんてん‼

・来年もして下さいね。又、感動させてネ‼

・大賞に選ばれなかった作品もどれもスバラシかったです

・素晴らしい作品に触れ感動しました。これからも自分らしく思いのまま作品を作り続けて下さい

・スニーカーのストーリーOK‼絵もサイコー‼

・迫力がすごい!元気をもらいました

・自由ですべてサイコー‼

・私と絵時間、家でかきました。ひまなときにかきました

・ステキな作品‼ありがとうございます

・♡樽真知子さん♡ステキな絵ですね。また明日から頑張れそうです。(よこい)

・いつもみてくれてありがとうございます

・みなさんそれぞれ好きなもの、きょう味あることを表現されているんだとわかりました。表現方法が楽しかったです

・元気をもらいました。まっすぐなタッチ、コメント、また見に来たいです

・桐子さん、キヨマツです。動物の作品じょうずです。これからもいっぱい絵かいて

・桐ちゃん、めちゃくちゃかわいい絵!ステキよ!ママより

・私も絵を描くことが好きでよく描いていますが、時々自分らしさの絵が分からなくなることがあります。今日みなさんのいきいきとした作品を見て、改めてアートはすごくいいなと沁みました。これからもがんばって下さいね

・みんなのあつ~い思いが、どの作品からも伝わってきます。自分の手で作り出せるってスゴイことですね!

・たるさん、ステキな絵で楽しませていただきました!次の作品も楽しみにしています!

 ありがとう!

・大好きな「はす」の絵ありがとう‼

・色とりどりで個性的な作品がいっぱいで、とってもワクワクしました。また、見に来たいです!

・ハートフル江口さんー♡ステキな絵をありがとう‼グリーンがとってもキレイ(よこい)

・自分のエピソードなどを作品にだしていてとてもすごかったです。

・やったZ!

・一人一人の作品がとてもすばらしいです。色のさいはいというか、かんかくがとてもまねできません。感動しました。

・作品は種類も多く楽しめました。解説を読むことでまた見方が変わったり感動もしました。また見たいです。

・No.1はらペコのキャラ達というのにクスリと笑いました。大阪、東京、北海道いくつかの場所だけって好きが伝わってきます

・No.2すごくさわやかな空気を感じました。光、影、空の遠近感がとても上手で、私も頑張ろ!と思います。冷たいお菓子美味しいですね。

・No.7紫、緑、青、赤すべての色が鮮明で、でも黒々とした部分もあり、とても美しいと感じました。みんなを守ってくれるんですね!きっと優しいロボでしょうね。

・No.11暖かみのある紙に、やわらかいけど迷いの無い線達。ふんわりした作品の雰囲気が好きです。自由に線を走らせることが出来るのがすごいと感じました。

・No.14水彩でしょうか、色使いがとてもきれい。下書きは建物の様に感じましたが、線がきれいです。目が良くないとの事にびっくりしました。にじみも配色も好きです♡

・No.17作品の大きさ色のビビットさにまず驚きました。女の人をシルエットで描いていて、そこが他の女の人とうまくなじんで、どちらも見やすくすごいと思います。ロボも細かく描きこまれていて、すごく上手だと思いました。

・作家さんたちの個性あふれた作品におどろきました。これからもがんばってください

・作家さんたちの個性あふれた作品におどろきました。これからもがんばってください

・この作品展をひらいてもらい有難うございます。またこの作品展をひらいて下さいお願いします。それぞれの作品がすばらしいものでした

・みなさんの絵、色づかい筆のタッチどれもステキです!エピソードがあることで絵のみりょくが増してました!たくさんの人々にみてもらえますように

・かんどうしました。ステキ絵、ぜひまた見たいです

また来年、新しい作品に
出合えることを楽しみにしています

茨バ・ター展よ、永遠なれ

社会福祉法人 大阪府障害者福祉事業団 
                茨木市立障害福祉センターハートフル





障がい者とそのサポーターが市民活動を行う拠点としてオープンしました。障がいのある方とない方が交流しながら、互いに自分らしく活動できる場所です。生活機能の維持・リハビリを行いたい方、自宅での入浴が困難な方、団体活動のためにお部屋を借りたい方へ、ハートフルな支援を。そして講座や研修、市民芸術を希望する市民に喜びと共感を提供できるような企画運営を行っています。 



〒567-0819 大阪府茨木市片桐町4番26号 
TEL 072-620-9818
お問い合わせは・・・
茨木市立障害福祉センターハートフル TEL 072-620-9818

=作文一覧=

「しが野ベスリス」前川力哉

好きなキャラクターを5つ作って作品にしました。本州は東京と大阪です。四国は青色で北海道はピンクです。九州は白です。大阪は青でしがのツムリです。東京は黄色でおにぎりしがのです。北海道はピンクのバクダンで九州はエルカゴ・ぺズィーと谷本君のぞうです。間宮林蔵の大日本地図をもようして一緒つくりました。大日本地図と言う名前はいちよう通しましたが、イロンナキャラクターを作品として作ることが、何よりも楽しかったです。紙ねん土の可能性を十二分にはっきしたことは、なんとも残念です。おにィぎりィが食べたくなるかもしれないのですけど、どの作品もハラペコなキャラクターなので、温かく見守ってください。北海道旅行に行ったおもひでとこのキャラクター作品は、いろんな意味であいマッチしています。どうもありがとうございます。またお会いしましょう。

「私と絵の時間」樽真智子

昔から絵をかくことがすきで、自分のおもいのままにかいていました。この前のかたやぶりなアートてんに出展し入選できたことがうれしかったです。

絵をかいているときわなにもかもわすれて、むちゅうになります。

時間わあっとゆうまにすぎます。とてもしわせなじかんです。

神戸タワー昔あそびに行ってかっこいからえらびました。今かんさいばんぱくがかいさいされていますが私の中でわせんりばんぱくです。その中でもたいようのとうのそんざいはおおきいのでえらびました。私にとって絵をかくことは私のすべてです。

「助けたい」松尾和磨(代筆 堀由紀子)

本人の言葉

消防になりたいねん!!

そんで人助けてあげてるとこ

梯子車すごいねんで

火消すねんで!!

この人助けられてん

すごいねん

梯子で人助けんねんで!!

「春大好き」前田里恵子(代筆 堀由紀子)

本人の言葉

春はお花いっぱい咲くので一番好き

この桜が色がきれいで写生したかった。

桜咲いたらこれから夏になるから、冷たいお茶が好きだから。

この木の下で冷たいお茶とデザートいいね

くだもの乗ったゼリー食べたくなってきた

絵は一番の友人やねん

絵描いてる時が好きで一番楽しい

本当は絵描きさんになりたいねん

この絵描いてたら本当に冷たいデザート食べたくなるー

「夏の果物のスイカです」野村興一郎

僕は、暑い夏の果物は西瓜がおいしいと思います。畑の中にうえたりして冷蔵庫に入れて冷たくひやします。僕はいっぱい西瓜がおいしいと思います。いろいろと西瓜がおいしいと思います。野菜の所にもあるのでフルーツポンチとかがおいしいと思います。集中して絵が上手になってきます。小学校の時に絵を習いました。僕はきれいになったりしています。みんなと仲良くしたりして良かったと思います。8月には西瓜があったりしておいしいと思います。僕はいっぱい忙がしいけども作品の題名はいっぱい忙しいけどもこつこつとしたりしていました。集中したりして楽しくきれいに絵を画いたりぬったりしたいと思っていたいと思っていました。僕はいっぱい野菜の果物をしたりしていました。きちんと絵を出したりしたいと思っていましたです。

「エントワマモルロボットテッル」 北村泰一

僕は、施設で様々な活動をしています。

皆でカラオケをして歌ったり、商店街や近くの公園まで散歩に出かけたりもします。

他にも運動をする日には、施設の大きな部屋を使ってキャッチボールやバトミントン、サッカーで皆とパスをしたりPKをして過ごしています。

たくさんの活動をしていますが、その中でも創作活動は僕の苦手なものでした。でも、一生懸命このロボットを作りました。

このロボットは、「エントワマモルロボットテッル」と言い、「キハ」という敵と戦い、僕らを守ってくれるロボットです。工夫したところは、たくさんの色を使ったところです。緑、黄色、赤、青、オレンジ、むらさきを使いました。作った感想は、楽しかったです。

最後に、今はもう新しい創作活動を始めて三つ編みに挑戦中です。また、頑張ります。

「蓮の池」ちゅうや

物価が高騰して、安価なお店が次から次へと閉店して、節約に節約を重ねなくてはならなくなるし、生活もし辛くなり、この蓮の池の絵を眺めたら少しでも心が落ち着けば良いと思ってこの絵を描きました。円高上昇 日経平均株価 汎用人口知能(AGI)開発 新型原子力電池実用化

「スヌード」竹澤嘉則

私は、スヌードを作っています。今回出す作品で5作目となります。

作ったスヌードは友達にプレゼントしています。

色んなことを知るため、また、交流の幅を増やすため外出をしていますが、外出できているのは、ヘルパーさんであったり、友達のおかげです。その感謝の気持ちを表すため、スヌードを作ってプレゼントしています。

1つのスヌードを作るのに、1年かかります。作る時は、職員さんに手伝ってもらいながら作っています。私は、この作品を自分で作ったとは思っていません。みんなとの共同作品だと思っています。一緒に作ってくれた職員さんには感謝しています。

この作品は、私の感謝そのものです。

「お花」辻絵美(代筆 杉浦直子)

毎日塗り絵をして、塗り終わると畳んでちぎるのが日課の辻さん。時々自分で絵を描くこともあります。ちぎった紙は、いつも持ち歩いています。

今回の作品は、まずビニールと台紙の間に絵具を挟み、その絵の具を指で広げ、最後にクレヨンで花の絵に仕上げたものです。絵の具を広げる時は、

「怖いー」

とおっかなびっくりのご様子でしたが、オレンジと赤のお花が一番のお気に入りだそうです。真ん中のお花はチューリップ、とのことです。

「片付けまでの軌跡」川上貴世(代筆杉浦直子)

川上さんは、ハートフルに来てから、1年ほど、1日の多くの時間を棚のCD整理をして過ごしておられました。きれいに並べ終わるとまた全部出して並べ始め、順番にもこだわりがあったようです。

川上さんの前にえんぴつを出して右側に色えんぴつ、左側に色えんぴつケース置いてみました。「箱に片付ける前にここに線を描いてみてください」と言うと、紙にスーっと線を引いてからケースにえんぴつをきれいに並べていかれました。別の日にまたお願いしてみると、今度はぐるぐる円を描き、一度片付けたえんぴつを出してまた描いたり…。お方付けが終わるとその日の分は終了です。

「江口さんとみんなの作品」江口健太(代筆 杉浦直子)

オニクルの7階にある屋上広場は、江口さんにとって落ち着いて歩ける場所のようです。

江口さんと、アート作品を作るために、同じグループの皆さんが絵具を選んで準備して下さいました。絵具をのせた紙をビニール袋に入れて、あとは思い切り踏んでもらう…という計画です。

オニクルの屋上広場で、

「江口さん、こっちー!」

とみんなで声を掛けて紙の方に誘導するも、スルリとよけてしまう江口さん。ワーワー言いながら江口さんとみんなで作った作品です。

「山田卓志」山田卓志(代筆日中支援員)

山田卓志さんは、知的障がいを伴う五十九歳のダウン症の男性で、数年前からアルツハイマー型認知症の診断を受けています。

山田さんは長年に渡って絵を愛し、毎日絵を描き続けてこられました。その積み重ねは制作風景からも感じられ、描いた線をゆっくりなぞりながら窓の外を眺め、何か空想もしてクスっと笑いつつ、時々手元を見て少しずつ描き進めていく姿は、絵を描いている、というより息を吸って吐くかのように自然体です。そんな山田さんの自画像の、丁寧に重ねた厚みのある線や、自由で大胆な色彩からは、絵画への色あせない情熱が強く感じられます。認知症による変化が少しずつある一方で、山田さんが着実に積み上げてきた歳月が支える絵への情熱とそこから生み出される絵画は、山田さんが山田さんであることをいつまでも証明する確かな形となっています。

「わたしの30日間(令和7年3月31日~)登間佐 俊孝(代筆日中支援員)

 登間佐俊孝さんは、重度知的障がいを伴う自閉スペクトラム症の五十四歳の男性です。

登間佐さんは、日々の出来事を毎日1枚ずつ絵にする『日記絵画』を制作するということがこだわりであり、日課となっています。

作品の裏面には、日付と絵にした内容の説明が文章で記されており、一見構図が似ている絵においても、登間佐さんにとっては全く違った一日を大切に描き留められていることが分かります。20代の頃にかかった目の病気により目はあまり見えておられませんが、絵を描くときは、手元にグッと集中して、ご自身の納得がいくまで描き込まれる登間佐さん。ご自身の視えている世界の中で、経験したことや思い出に残ったことを大切に描き留めていくお姿は、今この時を生きる、登間佐さんの人生の軌跡そのものを見ているようで、とても眩しく感じられます。

「日々」坂田大作(代筆 生活支援員)

坂田さんは、陽気な性格が素敵な五十七歳の重度知的障がいの男性です。約5年前に脳梗塞を発症した坂田さんは、退院後それまでの生活が一変、車に乗ることへの強い拒否により生活介護事業所を退所し、毎日グループホームで過ごされるようになりました。歩行も困難な為、椅子に座るだけの日々。そんな時何となく手にされたクレヨンをきっかけに、坂田さんの生活に一つの彩りが生まれました。朝起きるとまず机に向かい、黙々とクレヨンをノートに走らせる坂田さん。一見不規則な線に見えますが、左右のページを一組として、色ごとに同じ動きの線を左右で描いていることが分かります。ページを開く毎に異なる色の線や密度・形の組み合わせは、坂田さんのその時の感情が反映されているのでしょうか。ご自身の変化に身を任せながらも、何かを表現したい、日々の軌跡を残したいというお気持ちが表れたのかもしれません。現在はリハビリにより日常を取り戻しつつある坂田さん。そんな今でもノートに向き合う時間は変わらず大切にされ、ご自身の日々を綴り続けておられます。

「Takeshi2024」明定武司(代筆 日中支援員)

明定武司さんは、重度知的障がいを伴う四十九歳の自閉スペクトラム症の男性です。

今作には、愛するアニメや漫画にインスパイアされた独特な構図に乗せ、『僕の大好きなもの達=戦隊ロボ・女性・日常』がふんだんに詰め込まれています。明定さんが愛するものの1つである『女性』においても、シルエットで曲線美を表現したり、漫画のコマを用いたりと、丁寧に塗りこまれた色や想像力溢れるこだわりの構図からは、女性のことを心から美しいと感じる思いも伝わってきます。明定さんの脳内が濃密に映し出された今作からは、ご本人の溌剌としたエネルギーと対象物への愛がひしひしと伝わり、明定さんの根幹を少し覗けた気持ちにもなります。お皿やコップ等、素朴な日常シーンを大切に描かれているところも、小さな幸せを大切にする明定さんらしさを実感します。

「いい顔してはるわ。」寺西京子(代筆 日中支援員)

寺西京子さんは、重度知的障がいの四十二歳の女性です。快活で気が強い一面がある一方、照れ屋で気遣い上手な一面もあり、さげげない優しさを言葉や行動でそっと示してくださる、優しい心が魅力的です。

そんな寺西さんが描くのは、独特な色合いを背景にして並ぶ、にっこりと優しい微笑みの表情達です。アートを心から楽しみ、毎回、ワクワクとした表情で筆を進める寺西さん。画用紙に並ぶにこやかな面々は、そんな寺西さん自身のワクワクが映し出されていると同時に、いつも相手をよく見ている寺西さんの、他者の一番大好きな表情が映し出されているのかもしれません。自身でもあり他者でもあるような安心感のある表情達を、同じように優しい微笑みで見つめながら、「いい顔してはるわ。」と、しみじみと仰っていたお姿が印象的でした。

「どうぶつ」梁桐子(代筆 日中支援)

梁桐子さんは、重度知的障がいを伴う三十四歳の自閉スペクトラム症の女性です。

塗りこむ作業がお好きな梁さんの作品は、様々な色で二層、三層…と層を重ねていくことで深みを増しながら移りゆく色彩が面白く、制作風景からも惹きつけられます。そんな梁さんは、一日一回、一匹の「どうぶつ」を「コイコイ~!」と勢いのある発声とともに力強く塗りあげられます。どれも短足ですが、耳はあったり無かったりするどうぶつ達。彼らは、梁さんにとってどういった存在なのでしょうか。制作中の深い集中を見ていると『どうぶつ』への大きな愛情をも感じます。意志の疎通に課題がある中、制作中は時々手を止めて「タタ!」と支援者に笑顔を向けてこられ、「良い色ですね!」等と感想をお伝えすると、また制作を再開される梁さん。そんなやり取りも、かけがえのない日常の一コマです。

「そっとくうき そっとこきゅう いのちのきせきにありがとう」杉本れな

そっとくうき そっとこきゅう は私が詩をかくときによくつかうことばです

たくさんのかたにえがおと心がつながりますように

ホットココロをリラックス

「私の好きなモノ」藤田萌路

女性の腰まわりやうなじ(後ろ姿)が好きで良く描いています。常に描いているワケではなく、「描きたい」と自身が感じた時のみ描いておられるので、こちらから「絵を描いて」と伝えても描きたい時でなければ、鉛筆をにぎる事は、ありません。描き出されると下書きなしで躊躇なく進める筆は、見ていてとても気持ちが良いものです。

アートは、感情や思想を伝える手段であると考えており、自由に描く事で自身を表現し、鑑賞者である私たちに新たな視点を持たらし心を豊かにしてくれます。

「好き」をアートで伝えてくれる利用者さん。書いたものは、必ず自宅に持ち帰る為、手元にある作品は、カメラで写したモノになります。

負けない女 堀江修

塗り絵の下絵をもらった時に、“強い女性”をイメージしました。その為、この作品の題名を「負けない女」というものにしました。

まずは、後ろ背景はジャングルをイメージして塗っていき、そこから女性を塗っていきました。はじめは、薄めに塗っています。

顔の表情は、強さを感じてもらえるように目力を強く見えるように色を選んで、凛々しい顔つきになるように意識しました。

制作期間は、一ヶ月で地道に取り組みました。

塗り絵の活動は、集中して取り組めて、出来上がった時の達成感もあり、好きで毎日、楽しみながら一つ一つの作品を塗り上げています。

「まねきねこ」近藤光

このまねき猫は信楽の土を使い素焼きし絵付けをして作りました。

この猫をみて、みんなが笑ってくれたらいいなあと思ってます。

陶芸は小さい頃からの粘土遊びがきかっけになりました。幼稚園の頃 教室に入れず 先生が粘土やお絵かきをさせてくれました。その後、小・中学校でも学年や学期の変わり目でパニックになった時も先生方が粘土やお絵かきをさせてくださり落ち付く事が出来ました。高等専修学校を卒業してからは陶芸をするようになり 個展も出来るようにたくさんの人達に助けてもらいました。陶芸で自分以外の人達もたくさんのご縁があるように願って作りました。